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CANADA GOOSE ~vol.1~

MEN&WOMENS |

今回から3回に分け、カナダを代表するダウンブランド”CANADA GOOSE”をご紹介致します。

真冬になれば町で一人は着用している人を見かける程に人気のあるCANADA GOOSE。
大きなセレクトショップから小さなセレクトショップまで幅広く展開されているので見た事あるという方も多いと思います。
そんな中、なぜ我々well-made by MAIDEMS SHOPがCANADA GOOSEを扱うのか。
そこにはCANADA GOOSEの生産背景や歴史を紐解けば答えが出てくるのです。
長文にはなりますが、CANADA GOOSEに興味がある方は勿論、そうでない方も当店の世界観を想像しながら読んで頂けると幸いです。

1957年に創業されたカナダグースは、カナダ・トロントの小さな倉庫から世界をリードする企業へと進化しました。
カナダグースは「地球を冷ましてそこに住んでいる人々を温める」という信念に象徴されるように環境や社会に貢献する事、着用することにより人々を守り快適に過ごせるようにすることを大事にしています。
ファッショナブルな洋服という位置づけではなくあくまでギアとしてカナダに住む人たちがリアルで着るブランドなのです。
ですので、「大量生産大量消費」のモノづくりとは距離を置いた考え方で、トレンドやシーズンサイクルに囚われない正に一生着続けられるホンモノのダウンを提供しています。
これらの価値を提唱し続けるのにも素材開発から一着が完成されるまでに関わる多くの人々の時間と労力の裏付けがあってこその物であると思います。

では、どのような生産背景で一着のダウンジャケットが作られるのか。

先ず大前提として、カナダグースのダウンジャケットは全てカナダで生産されています。
その理由としては、作り手である人々が本当の寒さを知らないと本当に暖かい製品は作れないということ。
自社の基準に沿ってトレーニングを積んだ職人にしか生産には関わらせないという事です。
今ではファッションブランドから、アウトドアブランドだけでなく多くのブランドは利益の為に中国、ベトナムなどで生産を依頼しますが、カナダグースは利益云々より品質と信頼を大切にします。
これだけ自国の物造りに誇りを持っているブランドって今本当に見かけなくなりましたよね。
個人的にもアメリカンブランドで昔はU.S.A製だけど今はアジア生産と聞くとやはり当時の物を買う傾向にあります。昔のカナダグースの方が良かった、、、とはならず、変わらない価値を提供し続けているブランドなのです。
カナダのアパレル産業の就業者全体の20%はカナダグースで働いているという事も重要な社会貢献に繋がり、尚且つ多く国の人々から愛されている証拠なのではないでしょうか。
また、生産場所にこだわっているのは1957年から続く、「MADE IN CANADA」の高度で精密な裁断、縫製技術が兼ね備っているからだと言えます。
現在、カナダ国内の7か所に縫製学校を開設しており、そこで技術を身に付けた職人だけが生産に携われます。
そして、ジャケットの製造には13の工程があり、平均60人もの人が携わるのです。
そしてその職人たちは口を揃えてこう言うのです。

「自分の仕事に誇りと責任感を持っている。カナダグースの製品を着用して北極など過酷な環境に向う人も多くいるので、いい加減な仕事をすると、その人の生死に関わる」と。
クラフトマンシップに乗っ取った方々が手作業で作り上げた一着があのダウンジャケットなのです。

それだけでなく、動物愛護にも配慮した生産を心掛けています。
カナダグースはすべての動物は生きている間はもちろん、死んだ後も人道的に扱われるべきだと考えており、製品に使用する動物性素材を倫理的で責任ある方法で調達、使用することに強い責任感を持っています。
意図的に虐待や飼育放棄を決して許さず、ダウン・ウールの調達・使用基準には、意図的な虐待や不当な危害を受けていない動物から素材を調達しています。

また、今までファーにはコヨーテのファーを使用していました。
コヨーテはヒツジや子ウシ、そのほかの家畜に加えてペットも捕殺するので、多くの牧場主や農民がコヨーテを害獣と見なしていた為、駆除されてしまいその殺された個体からファーを使用していたのです。
しかし今では死んだネズミを処理してくれたりと重要な役割を担っていると考え方が変わり絶滅危惧種として保護されています。
その為、近年までカナダグースは動物愛護団体から長年抗議されていましたがようやく今シーズンからファーを禁止しフェイクファーを使用しています。
人道的かつ持続可能なものになる為にカナダグースは最善を尽くしているのです。

当店のコンセプトは店名の「well-made」にもある通り性別、世代を越えて愛される“上質”ではなく“良質”である商品を展開しています。
良質というのは価格にかかわらず、優れた商品であり、それは性別や世代に関係なく愛されているという物。
シーズンサイクルや流行に囚われず、そのブランドが創業から何年続いたとしても変わらず同じものを作り続けるブランド。
また、それには決して無駄なデザインはなく、全て意味を持ったデザインなのです。
例えば、CHATEAU PARKAというモデルに使用されているパラシュートボタンは単にデザインのアクセントとしてではなく、手袋をした状態でも片手ですぐ取り外しが出来るようなデザインだったりと…
全てに意味を持って生まれたからこそ機能備といつまでも変わらないデザインがあるのです。
民藝の言葉でよく使用する「用の美」の考え方が反映された服が正に我々が思う良品だと思います。

先程もお伝えした通りカナダグースはファッションブランドでは無くあくまでギアとしての提案です。
最北端の極寒地で命が懸かった仕事をしている人々が着用する服。そんな本物のギアをファッションに落とし込むのが、リーバイスなどと同じように今もこれからも愛され続けるブランドなのではないでしょうか。

現在CANADA GOOSEの商品はwell-made by MAIDENS SHOPの店頭にて展開しています。
このブログを読んで今までファッションとしてカナダグースを見ていた方が違う視点から見て頂けたら幸いです。
次回のブログはカナダグースの入荷商品の紹介になります。
それでは皆様のご来店お待ちしております。

well-made by MAIDEMS SHOP 小山

2022/09/26

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