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NEW BRAND From Paris,【ARTUMÈS & Co】

MENS |

かねてより取り扱いを熱望していたフランス発のArtumès & Coがようやく入荷致しました。クラシックなカントリースタイルを踏襲しつつもモダンにアップデートされたジャケットやスカーフは、本来の実用性重視の単なるハンティングウェアにはないファッション要素や遊び心を持ちあわせており、懐古主義に陥ることなく、あくまで洗練されたカントリースタイルを私たちに提案してくれます。また、この度入荷のジャケット類はまさにこれからのシーズンに思わず手が伸びてしまうハリスツイードを中心としたラインナップ。フランスの自然を独特な色彩感覚で表現したスカーフも、秋冬気分をより一層盛り上げてくれる仕上がりとなっています。
展開アイテムについては順次ご紹介していくとして、まずはブランドの背景をご紹介します。

【Artumès & Co】

何世代にもわたりフランスの伝統である狩猟文化を愛してきた、ブランド創業一族のDrach家。
現在Artumès & Coにてディレクションを務めるThomas氏の父にあたるAlain Drach氏がボードメンバーを務めていた当時のCHANEL社が、ハンティングに纏わるトータルブランドをつくる目的の元、Holland & Holland社(ロンドンを拠点とする銃器メーカー)を買収した際に氏も経営者として赴任したことのある経歴からも、一族のハンティングとの深い繋がりが伺えます。
なお、現在のHolland & Holland社は主に銃器を扱う企業ですが、当時はCHANEL社傘下の元、銃器はもちろんのことハンティングジャケット等も某英国アウターブランドにて製作していた歴史があります。

その後、Alain Drach氏がパリはサントノーレ通りにArtumès & Coという名のブティックを構えます。
彼らのライフスタイルともいえるハンティングなどに代表されるカントリースポーツに纏わるワードローブを、新しいアイデアと解釈によって提案を試みたところから、Artumès & Coは始まります。
実用性から生まれたデザインやディテールを組み込んだ所謂ハンティングウェアでありながら、フランスの美意識を感じさせる繊細な色使い、厳選された素材、そして伝統を受け継ぐデザインが用いられたアイテムは、数多ある他国のハンティングスタイルとは一線を画す存在です。
また、2022年には、ARNYSにて25年間チーフデザイナーを務めたDominique Lelys氏をディレクターとして迎えたことで、更なるエレガンスを極めています。

VESTE BEAUMONT / 143,000 – (TAX IN)
Col : BROWN CHECK
Size : 50

まずジャケットはノーフォークジャケットに由来するスポーツジャケット型で3生地展開。タブ付きのラペルにフラップ付きのアコーディオンポケット、さらに背面にはノーフォークジャケットお馴染みの腰部分のバンド、肩周りにはアクションプリーツ。ベースのデザインやディテールだけに注目すると完全にカントリージャケットのソレらなのですが、元ネタの匂いを残しながら、トゥーマッチにならないバランス感覚は流石のひと言です。この生地でこのテイストやディテール、にも関わらず、ブランドのアイデンティティを表現しながら、決して大袈裟ではなくどことなくエレガント。
同ブランドのラインナップ自体はジャケットだけでも相当なバリーションがあるのですが、それらの中でも特にArtumès & Coらしさを体現しているモデルなのではないでしょうか。

創業者であるAlain Drach氏が英国Holland & Holland社の経営に携わっていたことから、英国の影響があらゆる部分で垣間見えるArtumès & Co。生地も枯れ感の効いた渋いチェック柄。英国の豊かな自然の色を生地の配色に組み込んでいるツイード生地とカントリースタイルの相性は言わずもがな。また、裏地のペイズリー柄の配色なんかも英国らしいはっきりと対比のついたものが多く、この辺りからも英国スタイルの影響が伺えます。


VESTE BEAUMONT / 143,000 – (TAX IN)
Col : GREY CHECK
Size : 50


VESTE BEAUMONT / 132,000 – (TAX IN)
Col : BROWN
Size : 48 , 50


SAHARIENNE HOWDAH / 99,000 – (TAX IN)
Col : GREY CHECK
Size : 48 , 50

そしてもうひと型は説明不要のハンティングといえばなサファリジャケットタイプ。ちなみにモデル名のSAHARIENNE HOWDAHとは、SAHARIENNE=サハラ、HOWDAH=ラクダや象の背中に乗せる天蓋付きの座面との意。これほどにも元ネタの着用シーンやその風景が浮かぶ名前もないのでは。生地は少し赤みのあるベージュがこれまた洒落たヘリンボーン。世界各国には他にもハンティングを背景とするブランドが数多くあり、用いられる生地も大抵がタフで粗野なことが多い(某ブッシュポプリンや某オイルドコットンなど)のに対し、こういった繊細かつ上品な生地づかいはなかなかに珍しいです。あくまでリアルクローズとして提案したいところにぴったりな掛け合わせです。

Artumès & Coの魅力を紹介する上で、それらの洋服が”文化や生活様式の中から生まれた本物”であるという点も欠かせません。ファッションではなく実用性や必然性から生まれたものを、歴史や伝統に敬意を払いつつ、今の時代や空気感を取り入れその時々の気分を楽しむ。そういった手間のかかる楽しみ方こそ、メンズファッションの醍醐味なのではないかと、Artumès & Coの洋服に触れるたびにそんな事を改めて感じさせられます。普遍的であるからこそいつの時代でも切り取り方次第で新鮮に向き合うことができるスタイル。late 60’s , early 70’s な気分の今、サファリジャケットで安直にイヴ・サンローランを連想してしまいつつ、さらに頭に浮かぶのはムッシュの言葉、「ファッションは廃れる。 だが、スタイルは永遠だ」。まさにArtumès & Coの魅力についてもその一言が全てを言い表しているような気がします。


続いてウェア同様に世界観が凝縮されたスカーフ類。冒頭のブランド説明で触れたように、この辺りもDominique Lelys氏らしさが全開で表現されている見逃せないポイントです。到底私たち日本人では到達できない色彩感覚によるプリントデザイン。自身の名を冠したLelysでもプリントに趣向を凝らしたタイやスカーフが展開されていますが、Artumès & Coではよりポップなタッチの仕上がりになっているのが印象的です(特にシルクスカーフ)。ハンティングに纏わるデザインとなれば切っても切れない関係性であるお馴染みの動物モチーフ、当然渋めのデザインのものが多い中、どことなく抜けた感じの”可愛らしさ”に洒落っ気や気持ちの良い抜け感を感じずにはいられません。控えめに言って大好きです。

CARRE  70 / 23,100 – (TAX IN)
Col : RESEDA PERLE , BRG , GRIS CHOCOLAT , AUTOMNE

PRINTED SCARF / 41,800 – (TAX IN)
Col : BROWN ORANGE

なお、現在はブランドの生産体制の問題でウェアの新作を作れない状況になっており、冒頭で触れたサントノーレのお店もあいにく現在は閉店してしまっています。ブランド自体は稼働しているものの次回以降の入荷予定が不明瞭な為、気になる方は早めのチェックをおすすめします。
well-madeにて新たにスタートするブランド、そして個人的に思い入れの強いブランドでもある為、少し紹介が長くなってしまいましたが、最後までお付き合いいただき有り難うございました。
スタッフ一同、皆さまのご来店を心よりお待ちしております。

well-made by MAIDENS SHOP 山田

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2024/09/16

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